発音されない英語の音:音が抜け落ちる「脱落」とは?

目安時間:約 11分

相手を押し出す 英語発音の脱落では隣り合った同じ音・似た音の片方が消える
こんにちは、闘う海外サラリーマン むさしです。

 

 

今回は、発音されない英語の音のルールの1つである「脱落(elision)」を紹介します。

 

聞きなれない言葉かもしれませんが、脱落とは「同じ音や似た音が隣り合った場合に片方が消える」現象です。

 

 

 

 

キャラの被った芸人は片方しか残らない、といった世知辛いイメージも浮かびますが、どのようなルールになるのかを見ていきましょう。

 

 

 

 

英語発音の「脱落」ルール

 

同じ発音はまとめて1つ

最初のところで、英語発音の脱落とは「同じ音や似た音が隣り合った場合に片方が消える現象」と書きました。

 

具体的な例を挙げると

 

  • take care(面倒を見る:[k] が重なっている)
  • eight teams(8つのチーム:[t] が重なっている)

 

などですね。

 

 

 

 

この場合に、[k] や [t] はまとめて1つの音にされてしまう、それが英語発音の「脱落」ルールです。

 

【take care】

 

 

【eight teams】

 

 

 

 

 

実は日本語でも起こっている「発音の脱落」

でもこれって、実は英語の専売特許ではなく日本語でもありますよね。

 

例えば「建築家」と発音する場合、そこまで律義に「けんちくか」と読んでないはずです。

 

実際には「けんちっか」という発音に近いと思います。

 

 

 

 

逆に「けんちくか」とはっきり発音すると、なんだかアナウンサーの読み方みたいに聞こえて違和感がありますよね。

 

英語でも基本的には同じです(例外はありますが)。

 

 

 

 

同じ音ではなく「似た音」の場合の脱落

先ほどの例では「[k][k][t][t]」という同じ音でしたが、これは同じ音でなく「似た音」でも起こります

 

「似た音」とは発音するときの口の形が近い音、つまり

 

  • [t][d]
  • [k][g]
  • [s][z]
  • [v][f]

 

などの音。

 

[b] [p] [m] も一緒になることが多いです。

 

英語の発音記号:子音は6種類に分類して克服しよう

 

 

 

 

具体的な例としては

 

  • leave for work(仕事に行く:[v] と [f] が一緒になる)
  • speed trial(スピードトライアル:[d] と [t] が一緒になる)

 

 

などでしょうか。

 

 

 

 

実際の発音は次のようになります。

 

【leave for work】

 

 

【speed trial】

 

 

それぞれ、音の脱落が起こっていることが分かるはずです。

 

 

 

でも実は「音が消えない」パターンの脱落もあるので、そのルールを紹介していきます。

 

 

 

発音が「消える」場合と「くっ付く」場合

 

音による扱いの違い

実は最初に書いた「音が消える」というのは正確な表現ではなく、音が消えない場合もあります

 

例えば最初に挙げた

 

eight teams

 

などは eight[t] が消えてしまっています。

 

 

 

 

 

でも次のようなケースはどうでしょうか。

 

【Access speed】

 

 

 

 

 

この場合、[s] の音は消えるのではなく2音分の長さに伸びて発音されています。

 

この違いはどこから来ているのでしょうか。

 

 

 

 

[t]と[s]の音の出し方による違い

[t] は消え [s] は2音分にくっ付いて発音される。

 

その違いは、[t] は連続しない音(不連続音)であるのに対して [s] は連続する音(連続音)である、ということが理由です。

 

 

 

 

[t] の音は、舌を上あごに付けてから離す(+息を吐く)ことによって発音しますよね。

 

そして1回につき一瞬しか音が出ません

 

でも [s] の音は、息が舌の表面を通ることで出る音なので、息の続く限り「スー」と出せるわけですね。

 

英語の発音記号:子音は6種類に分類して克服しよう

 

 

 

 

その結果、[t] はまとめて2音分の長さにしようとしてもできず、[s] は長さの調整ができるから2音分の長さに伸ばされる、ということになるわけです。

 

上で挙げた "leave for work" と "speed traial" の場合でも、[v] [f] は連続音ですので、音が2音分つながって発音されていることを確認できます(ちょっと息を強く吐きすぎましたが)。

 

 

 

以上が、英語発音の「脱落」ルールの説明です。

 

 

 

 

まとめ:発音の変化は英語発音の基本

いかがでしたか。

 

今回は、英語発音の基本ルールの1つである「脱落」について説明しました。

 

 

 

 

今回の脱落に限らず、英語発音の変化、消失は基本ルールとしておさえておく必要のある知識です。

 

今まで感覚的にやっていた部分もあるかもしれませんが、このようなルールがある、ということを知るだけでも、今まで以上にできるようになります。

 

それぐらい「基本を学んで知る」ということは大事なわけですね。

 

そのように「知ったうえで練習する」ことが、あなたの英語発音、そして英会話の上達につながっていくわけです。

 

 

 

 

このサイトが、英語発音や英会話の上達を通じて、あなたの望む未来を手に入れる助けになれば幸いです。

 

 

むさし

 

 

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